危篤でなかなか死なない!危篤状態とは?
医師に「危篤状態」と言われたら、危篤状態とはどんな状態なのか知っておきましょう。危篤状態になったら、家族は心の準備や親族への連絡をしなければなりません。
危篤状態とは?
危篤状態とは、命の危険がある状態です。いつ息を引き取ってもおかしくない状況のため、医師は家族に心構えをするよう「危篤状態」を伝えます。
意識
危篤状態になると、意識がもうろうとしてきます。危篤だと判断される状況は血圧が下がっているので、脳に酸素が充分届けられないためです。
危篤状態になっている人は、独特の呼吸をします。呼吸がゆっくりと浅くなり、不規則な呼吸です。
危篤状態に現れる呼吸状態のことを「下顎呼吸」「チェーンストークス呼吸」といいます。下顎呼吸とは呼吸をするときに、下顎が上下に動くものです。
死を目の前にすると胸で呼吸ができなくなるので、浅い呼吸となり呼吸するときに下顎が動くようになります。脳は酸素が不足すると意識がもうろうとしてきます。
脳の機能が低下しているため、本人は痛みや苦痛を感じていません。死を目の前にするとドーパミンやβエンドルフィンなどのホルモンが分泌して、人を苦痛から救ってくれるといわれています。
血圧
状態が悪い人が病院でモニターを付けていれば、血圧が下がったことで危篤状態だと判断できます。
通常人は上が130台、下が80台あるのが普通です。ところが危篤状態になると、上の血圧が60以下となり生命維持が難しいことがわかります。
家族が最後の蘇生や医療行為を拒否すると、モニターを付けていないこともあります。私の母の最期も無理な医療行為を拒否したので、最後にモニターを付けておらず、危篤状態に入っていることがわかりませんでした。
母が亡くなる直前は意識がもうろうとしていて、話しかけても返事ができません。話をするとウンウンとうなずくものの、答えることはできない状態でした。
最後のときにモニターを付けていれば、血圧下がったことが危篤状態の目安となります。モニターを付けていなければ血圧の低下は気がつきにくいので、意識の低下で危篤状態を判断しましょう。
持ち直すことはある?
医師から危篤状態だと診断されても、必ずしもそのまま亡くなるとは限りません。人によっては数時間のうちに亡くなる人もいれば、数日以上持つ方もいます。
意外となかなか死なない
高齢の方が危篤状態になっても、なかなか死なないケースがあります。病気で亡くなる方は突然呼吸が止まってしまうこともあるのですが、老衰の場合は時間をかけてゆっくり息を引き取っていくためです。
老衰で亡くなる方は、大きな呼吸と無呼吸を繰り返しながら、時間をかけて息を引き取ります。そのため、家族が「呼吸が止まったかも?」と思っても、また持ち直すことはよくあります。
また、病気の種類によっても、亡くなるまで時間がかかるケースがあります。実際に危篤状態になっても、下記の事例のように持ち直したケースもあります。
危篤状態の祖母私の祖母が3年前に脳梗塞で倒れました。
それから何度も危篤状態に陥っては回復の繰り返しです。
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14179376739
一度医療行為をすれば途中でやめることはできません。病気で苦しんだ家族を静かに見守りたいときは、全ての医療行為を拒否することも考える必要があるでしょう。
危篤状態からの生還の事例
一度危篤状態になっても、その方に生命力があると持ち直すことがあります。
祖母はガンで一度危篤状態になっているのですがそのときにお花畑が見えた途中で目を覚まさなきゃと思い目が覚めて助かったと言っていました。祖父は死神にこっちへ来いと呼ばれていきかけたところでやばいと思い引き返したと言っていました。
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11163096411?__ysp=5Y2x56%2Bk44CA55Sf6YKE
危篤状態は生命の危機に直面している状態ですが、医師でもその後どうなるかは判断が難しい面があります。事故にあった方が危篤状態になっても生還した事例はあるので、覚悟を持ちながらも、希望も同時に忘れないでください。
危篤状態になった場合かける言葉
危篤状態になっても、最後まで耳は聞こえているといわれています。意識がもうろうとすると何も聞こえていないように思えてしまいますが、実は聞こえている人が多いようなのです。
人の機能で視力は比較的早く失うのですが、聴力は最後まで残ると考えられています。そのため、危篤状態の人に話しかけるとうなずき返してくれることがあります。
人が最後のときに聴力を保っているとなれば、うかつなことは話せないでしょう。もしかしたら危篤状態でも周りの人が「まだ死なない」「早く行けばいいのに」と言っていることを聞いているかもしれません。
誰もが最後は愛する人の声を聞きながら行きたいのではないでしょうか。私の母が亡くなるときは、まるで私が病院に来るのを待っていたかのように、私の声を聞いてから亡くなりました。
病院につくと母は話すことができない様子で、私から話しかけるとちゃんと聞いてくれました。その後少しだけ席を外したときに急変してしまったので、「私の声を最後に聞きたい」と思い待ってくれたように思います。
医師から危篤状態だといわれても、その人はちゃんと話を聞いている可能性があります。最後のお別れにその人が聞きたい話をしてあげましょう。
危篤状態になった人にかける言葉は何でも構いません。「今日は天気がいいよ」「退院したら一緒に〇〇に行きたいね」など日常のたわいない会話でも、家族の声を最後に聞いて満足してくれると思います。
危篤状態になったらやること
危篤状態になったら、周りの人に知らせる必要があります。すぐに亡くなるとは限りませんが、万が一の際を考慮して行動しなければなりません。
親族に連絡する
危篤状態になったとき連絡すべき人は、3親等までの親族です。誰か代表で親戚に連絡して、ほかの方にも伝えてくれるようお願いすればよいでしょう。
3親等とは、孫や祖父母、甥や姪なども含まれます。危篤状態になれば、「最後にお別れを言いたい人はいませんか?」と医師や看護師が言ってくれるはずです。
家族が危篤状態になればパニックになってしまう方が多いので、病院のスタッフも配慮してくれるので安心しましょう。親族以外でも特に親しかった人がいれば、お伝えするようにします。
後で「死に目に会えなかった」と後悔しても遅いので、急いで親族や親しい人に連絡を取りましょう。危篤の連絡は電話での連絡が一般的です。
以前は電報での連絡が多かったようですが、今は多くの方が携帯電話を持っているので電話で構いません。メールやSNSだと相手がすぐに読まない可能性もあるので避けるようにしましょう。
危篤で連絡する場合は、早朝や深夜でも行います。相手が病気などで療養中の場合は別ですが、その場合はその方の家族に連絡を取るなど工夫してみてください。
会社に連絡する
家族が危篤状態になったら、自分の会社にも連絡をします。いつ亡くなるかわかりませんが、しばらく会社を休む可能性があるためです。
危篤状態になっても数日から数週間持っている場合は、一度出社したほうがいいでしょう。長期間仕事を休むことは難しいことが多いので、職場の上司と相談してください。
家族が危篤状態になれば、その後のお葬式のことも考慮しなければなりません。そうなれば少なくとも数日は休むことになるので、早めに上司に伝えておきましょう。
葬儀業者への連絡
人が亡くなると病室でそのまま過ごすことはできません。数時間で病院を出るか、病室を出て安置室に移動することを迫られます。
亡くなってからの時間はあまりないので、事前に葬儀業者に連絡しておきましょう。病院から自宅までの搬送は、病院から紹介された葬儀業社を使う方法もあります。
搬送費用の詳細は、下記の記事で詳しく紹介しているので、合わせてごらんになってみてください。
関連記事:遺体搬送費用の相場とは?
現金を用意しておく
危篤状態になったら、現金をある程度用意しておきましょう。亡くなった場合は、葬儀の手配などに現金が必要となるためです。
- 病院までのタクシー代
- 家族の食事代
- 搬送のための現金
- 現金で支払う場合の葬儀費用
- 遠方の方の交通費や旅費
よく「死亡診断書が提出されると故人の口座が凍結される」といいますが、現実的には凍結されないことが多いです。しかし、まとまった現金が必要なことには変わりがないので、早めに銀行に行きお金を下ろしておきましょう。
関連記事:故人名義の銀行口座は凍結される
危篤状態のまとめ
危篤状態だと言われたら、覚悟する必要があります。しかし、必ずしもそのまま亡くなるわけではないので、生還する希望も持っておきましょう。
家族が危篤状態になったら、心の準備をしなければなりません。周りの親族や友人などにも連絡をしなければならないでしょう。
万が一の際のために、危篤状態になったときやることを確認しておいてください。